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蜂蜜と胡桃のクッキー。

娘はとにかく食が細い。というよりも、あまり食事自体に興味が無いのかも知れない。そんな娘の毎日の食事作りには本当に頭を悩ませている。最近になってようやく食べない!と残す事こそ少なくなってきたが、とにかく食べるのが異常なまでに遅い。好きな物の時は当然早いが、あまり好きじゃないものだったり、気分的に今日は食べたくない食材、などが皿にあると40分掛かる事も。当然給食も完食なんて無理。そのうち監視に疲れ根負けし、こちらが皿を提げてしまう事も多い。そんな今日の朝食は全て娘の好物ばかり。これならどうだ!と思うもやっぱり食べるのが遅く、そのうち洗濯機がピーピー鳴り出したので私はやむなく途中で席を立った。娘の様子を見ていると、私が近くにいると食べる、遠くなると箸を止め、飲んでいるコップの柄を見たり外を眺め出す。

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朝はこんなラインナップ。写真は大人用で、娘用はインゲンは短くカットし更に隠し包丁を入れたり、煮物のサイズを半分にしたりして出している。もう六歳なのに、食事の様子は幼稚園児と同じ。一生懸命食べても遅いならば仕方ない。だが娘を見ていると、途中で飽きて食事を蔑ろにしている節が見える。一体いつまでこんな食事が続くのかと頭がクラクラした。そこでちょっと、今日はこんな事を提案。

HANA、ママに玉子焼き作ってみない?」

食事に飽きていた娘は途端に箸を置き「作る!」と答える。丹精込めて作った私の食事は、娘にとってもうほぼ残飯扱い。お皿に残っていてもどうでもいいようだ。そのまま娘を招き玉子を一個割って混ぜて貰い、フライパンで焼かせてみた。娘の手伝った料理を、私は毎回美味しい!と残さない。今日も当然そのリアクションが返ると思っている娘に、私はお皿に盛った玉子焼きを見て

「食べない、いらない」

と言った。ジョジョの「だが断る」と同じ言い方で(笑 娘は自分の手を掛けたものは家族が絶賛して当然と思っているので、ショックを受けていた。「どうして?」の問いに

「あなたが毎日私にしている事を、返したまでよ。ママは毎日そうやって、HANAにご飯を残されているの。自分が一生懸命作ったものをいらないって言われる気持ちが、これで分かっただろう」

と言い、ついに娘の前で玉子焼きに手を付けなかった。冷えていく玉子を見ながら娘の涙は止まらない。食べ物に罪は無いのでこれはもちろん後で私が食べる。だが目の前で称賛なんてしてやるか、作った料理を食べられずに放っておかれる者の身になれ。それにこれは、もう何回も諭した事だ。無理な量は与えていない、無理な時間制限も掛けていない。六歳が食べられる量、味付け、時間で食事をしようねと言っているだけなのに出来ないのだ、お母さんももう打つ手が無いよ。

するとこの玉子焼きの意図は理解したようだが、それでも娘は謝らなかった。謝らないどころか膨れている。

そのうち私一人大変で、誰からも感謝されない毎日が急に馬鹿馬鹿しくなってしまった。自転車の鍵を取って出て行こうとすると、娘が「もうちゃんと食べるから!もうしないから!どこ行くの!どこにも行かないで!」と取り乱し始めた。

「ママも同じだよ、何度も体の為に食べようねって言ってお約束してもらったよ、でも守られないよ。だから嫌になっちゃったんだよ。本当にあんたとパパは同じ血だね。倒れる前のパパも、ママが何度直してと言っても直らなかったよ。同じ事平気で繰り返してママを泣かせた。HANAも同じ。もうあんたら親子の言う事なんて信じないよ。ママはもう疲れた」

半ば八つ当たりだが、止められなかった。本当にこの親子は、どうして簡単な事すらも守ってくれないのかと情けなくなってしまった。家の窓の施錠を確認後、「一人で家から絶対出ないで、出たらその時こそママは二度と帰らない」と言い、泣く娘を振り払うようにして玄関ドアを閉めた。ごめんなさいという声が聞こえたが、戻らない。とはいえ田舎、母一人時間が潰せる場所なんてどこにもなく、仕方なくスーパーに行った。

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そして苦笑い。結局自分のものは一個もカゴに無い。まず入れたのは娘のオモチャ、次に夫の好物、そして半額になっていた挽き肉(笑 それと雑貨。あーあ、このまま駅までいってどっかで一泊してしまいたい。そう思っても、私には夫と娘という名の鎖が雁字搦めに絡みついていて、抜け出せない。

私はこの日記では自分を隠さず、読む人の目を気にして見栄を張り『私の毎日って充実してて、私自身とても素敵なママなんです♪』なんて書かない。だからきっと通りすがりにたまたま見た人には「おいおい家族を鎖扱いかよ」とも思われるかも知れない。そうだよ鎖だよ、今のこの精神の私にとって夫と娘は、フワフワでピンクの羽毛に覆われたとても柔らかく甘い香りのする…だけど絶対千切れない“鎖”。

家出も許される時間は15分がリミット。全てどうでもよくなって、買い物袋を提げてまた来た道を戻った。帰ると娘が抱き着いてきた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ずっと戻らないと思った」

そう泣く娘に、心の中で『一日でもそう出来たらどんなに楽でしょうね』と呟いてしまう。だが本当に彼らを放ってしまえば私に幸せは無い。夫と娘は苦悩も齎すが、同時に倍の量の幸せもくれている。なので気を取り直し

「そんな事するわけないよ。ママは、HANAに思い返して貰いたかったんだよ。毎日出るご飯はママが忙しい中HANAの体を思って作っていて、残されてばかりなのはママにも悪い、食材にも悪い事してるって。もう分ったかい?」

と聞いた。これ以上は言うまい。どうせ聞き入れられず無駄な事とも分かっているから。この子は夫の生き写しで、怒られた事は数日どころか数分で忘れる(笑 だが学校で問題も起こさず、宿題も頑張っている、お手伝いもしてくれている、全て当たり前の事でもあるけど、他で手を焼かせないだけいいとも思わないとならないのかも。諦めのような感情で、最後は娘を抱きしめた。

その後掃除機をかけテーブルクリーナーで棚なども拭き掃除しすっきりした所で、散歩がてら娘にアイスでも買ってあげようとまた出かける支度を始めた。するとLINEが鳴る。主は先日パルマの情報をくれたママさんと、Y美ちゃんママ。

Y美と公園遊びに来たらパルマママ&T君に会ってさ~、HANAちゃんも一緒に遊ぼうってなって連絡してみたの、今家に居る?』

との事だった。まだ説教の余韻を引きずっているので、ここは逆に二人より皆で居る方がいいかも。そう思い『家にいるよ、お誘いありがとう!昼寝でパパだけ昼ご飯の時間ズレちゃったから、昼用意したら出るね』と返した。昼寝から起きて来た夫に昼食を作り家を出て、娘はT君、Y美ちゃんと遊び親は井戸端会議をしながら過ごした。だがこの数日、西は未曽有の大雨。関東もその影響はあり、曇っていたと思ったらにわかに風が酷くなってきた。結局30分ちょっとで雨に降られて公園遊びはお開きに。

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夫に作った遅めの昼ご飯は、鶏ひき肉としめじのリゾット風。実はこれ、実家のレシピがモトになっている。歳の割りに洒落たメシ好きな実家では、ホールトマト、チキンスープ、玉葱、しめじ、チーズで冷やご飯を煮てリゾットのようにしてお昼ご飯に食べていた。それが簡単で美味しそうだったので、ウチでも採用する事に。私流リゾット風ごはんは、丸鶏ガラスープを溶いたお湯に鶏ひき肉としめじ、玉葱代わりの刻み白菜を入れて冷やご飯を入れて煮立て、チーズを振ったら出来上がり。色合いが寂しかったのでグリンピースも散らしてみた。美味しいし簡単だし、ツナ缶&ブロッコリー&チーズ、海老&エリンギ&カレー粉&チーズ等色々なバリエーションも出来そう。

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夕飯も今日は簡単に。コンビーフと野菜を適当に使ってパスタを作った。それとスープのみ。さすがに娘は残さず、かつスムーズに食べていた。やれば出来るやないか(笑 毎日そうであれ。その後娘と一緒にお風呂、一緒に卓球やアンパンマンの室内ゴルフで遊ぶなどして寝かしつけまで終わって、やっと一息。するといい加減気持ちを切り替えないといけないのに、一旦消えていた煙がまた燻り出す。夫の顔を見てつい

「娘はまだ成長過程だから仕方ないにしても、思えばパパにも苦労させられて来たよね。病気の事は別だよ?それは本人の意志じゃないから。でも借金の始末に過去の言い合いに、そういえば昔は私がどんなにあなたの一家に虐められても無関心だったねぇ」

などと嫌味が出てしまった。本当に、本当~~~~~に、何もしてないのに娘の説教のついでにとばっちりを食らう親父カワイソス、という状態なのだが(笑 私は性格上数日引きずる事は無い。明日には絶対に切り替えられるので今日だけは許して欲しい。夫は何も言い返さず、ただごめんと返して来た。余計に自分が悪者になったような気持ちにさせられ、居た堪れなくなって今日は早々に私から寝室に使っている和室に入った。だが眠れないのでスマホをいじる。子供・食事・遅いと打つとウチもウチもと、山のように同じ悩みを持つお母さんの書き込みが出た。うちの場合該当するのは、食べ終わる前に次のひと口を入れがち、いつまでも噛むの二点。こちら側も飲み込みやすいよう工夫はしているのだが・・・もう少し考えてあげる事も必要か(´Д`)ハァ…。夫が自室に入ったのを確認後また出て行き、録画消化。今夜は楽しみにしていたBANANA FISHを見よう。

BANANA FISHは原作コミックは1985年生まれ。マフィアや傭兵が絡む凄くアクション色の強い内容なのに少女漫画で、ものっっ凄く良い話で大好きな作品。この夏アニメになると知り期待に胸が膨らんでいた。だが

作中にスマホ出て来てガッカリ・・・。ナニこれ台無しじゃん。別に当時のままの雰囲気でアニメ化でいいじゃない。というかGPSとかで追いかけちゃっちゃあ、原作のストーリーともかなり展開変わっちゃうじゃない。そもそも湾岸戦争が背景にある物語なのに、舞台を2018年にしちゃうのはダメでしょ。改悪しないでそのままであって欲しかったなぁ。あと腐女子歓喜の安いBLアニメにはくれぐれもしないで欲しい。

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翌日、一晩眠り気持ちはすっかり切り替わり、一足早く起床し夫と娘に朝食を作る。今日はパンを買い忘れてしまったので朝はご飯。栗入りの炊き込みご飯を炊いて、他には笹かまぼこ、減塩骨なしの鯖を焼き野菜の和え物も付ける。

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和え物の野菜の中身はしめじ、人参、ほうれん草、インゲン。時短の為市販の粉状の胡麻和えのモト使用だが、簡単で美味しい。たくさん作っておき明日明後日の朝食にも出すつもり。

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食後は今日は思い付いて、余っている胡桃を使いクッキーを作る事に。その際夫にも台所に入って作業をして貰った。障碍の性質上、どうしても外でアクティブに動きにくいので室内での遊びを充実させる必要があり、思い付いたのが菓子や料理の簡単な手伝いだった。手伝う際には体のバランスを保つ杖を置く事になるので、体のふらつきには十分注意し、作業も本当に簡単なものしかさせられない。だがソファに座ってただテレビを眺めるより、体にも脳にも良いはず。娘は今日は父母と一緒にお昼にビュッフェに行くそうなので、娘を送り出してから作業を開始した。

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バター、砂糖、卵黄、蜂蜜をある程度混ぜたら、夫に滑らかになるまで更なる混ぜ作業を頼んだ。その後粉や刻んだクルミを混ぜる作業も夫に頼む。型抜きは片手では難しいのでドロップタイプにして、オーブンで35分焼いたら完成。

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なかなか良い焼き色になった。娘の分を取り分けておき、自分達の分が冷えたら紅茶を淹れて食べてみた。焼き色がしっかりついているものほど、香ばしくてとても美味しい。クルミの食感もアクセントになっている。「初めてのお菓子作りのご感想は?」と聞くと「もにょもにょしてた」と返る。ああ(笑 生地の感触ね。社会復帰は本人の希望でもあるし、主治医の意向でもある。でもまだ日常生活自体にも支障のある毎日なので、それは長い目で見ての事。今はこうしてのんびり過ごす事でリラックスし、リハビリに精を出してくれればそれでいい。

その後は夫は映画鑑賞、私は夕食の下拵えや保険会社に出す書類の作成などをして過ごす。夫の見ているのはホワイトハウスダウンという作品。大統領が狙われててんやわんやするストーリーらしいが、チラ見して大統領がピンチになっていると、どうしても

「・・・ジャックバウアーはまだか」

と思ってしまう(笑 早くジャックに任せなよ、24時間で解決してくれるから。映画が中盤に差し掛かる頃、一度家のポストを覗きに行くと

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注文していた指輪が届いていた。受注生産で一個ずつ作るので、製作は一カ月掛かる。だが待っただけの価値ある素敵な指輪が届いて嬉しい。これは私の誕生日の記念に頼んだもの。使われている石はグリーンサファイヤ、イエローサファイヤ、ルビー、ホワイトサファイヤ、ブルーサファイヤと全て天然コランダムの五石。これはいつものリングハントで買う安い物とは別で、結婚指輪の代わりに常に付けておくものなので値段もそれなりに高く、質も良い。夫が選んでくれたものなので、せっかくだからと夫に持って貰い、私の指に通して貰った。が、その前に夫の天然ボケがさく裂。指輪を渡したらすんなり自分の指に着け「小さい」と言ってきた。当たり前だ(笑 あんた薬指で20号もあるのに、8号の指輪が通るわけない。というか私が着ける前に、夫が自分の指の先っちょに着けちゃった(;’’)ま、こんなハプニングも思い出のうちだ。

と、夫婦水入らずの時間を過ごし、少し眠くなったという夫を自室に送ってしばらくしたら、インターホンが鳴った。モニターを見ると例のTちゃん・・・。Tちゃんだけじゃなく、兄弟なのか見た事も無い小さい女の子まで連れてる。今娘はジジとババとビュッフェに行っていてそもそも不在、でもこの子の場合ドアを開けてその旨を伝えても

HANAちゃん居なくてもいいから早く家に入れて、お菓子とジュース出して」

と言って無理やり上がり込むのは目に見えている。言ってももう六歳、話せば分かる年齢だ。だがTちゃんは話が通じないというよりも「でもこいつ()ならごり押しすれば思い通りになる、この家を好き勝手出来る」と思っているので話がそもそも出来ない。可哀相だが道理も分からない、親御さんが彼女の居場所を把握もしていない、そういう状態では預かれない。第一娘の不在時なのだから、この子の面倒を私が見る事自体おかしい。どう考えてもおかしい。なのでここは居留守を使って・・・と思うも、何度もピンポンの挙句ドアをガンガンやられた。借金取りかよ・・・orz そのうち夫が私が気付いていないとでも思ったのか大声で「おかあさーん!!ドア!!」と叫ぶ。もう夫に罪は無いがフライパンで頭をシバき「黙ってろ!」と言いたくなった(笑 幸い少ししたら諦めてくれたようだが、これからずっとこれに悩まされるのか。。。気が遠くなるわ。。。


Commented by かのん at 2018-07-08 17:52 x
子どもの食事もんだいわかりすぎる!!
うちも食事時は何度言っても、上の空…ドリーミーなあっちの世界に行ってしまうので、1時間以上掛かるのはザラです…。
なので、食べる量は全部自分で決めてもらう保育園方式を採用しております。
おかずは満遍なく、量は少しでも良いので食べる約束で。

もちほんお腹いっぱいな時や食欲ない時は残しても良いとしていますが、それから残すことがだいぶ減ってきましたね。

あと、時間読む練習用の置き時計を買って、目標設定したり。

私も仕事で帰ってきてバタバタと夕飯支度して食べてくれなかった時に、ブチギレてしまったことが何度かありました…でも作ったものテキトーにされて残されるのってほんと辛いですよね。
ERIさんのごはんを見てると、品数や中身に気を配ってるのがわかって、うちとは大違い笑 ほんと忙しい中、そうやって工夫されてるのはすごいことですよ。

長い目で一緒に頑張りましょう!!
Commented by eriririririn at 2018-07-09 11:34
☆かのん様

安心してはいけないのですが、コメントを頂き我が家だけではない、子供の頃は皆なるものと思えて少し安心もしました。(;´∀`)とはいえ毎日食事に一時間掛かると親のこちらも消耗しますよね。。。食べる量を決める方式!!!こちらでは小学校がそれを採用していて、学校ではその方式で食べています、目からウロコです。

食事をコンスタントに食べるなんて、大人からしたら至極簡単な事に思えるけど、まだ小さい子供にとっては思うより難しいものなのかもしれませんね。いえいえ・・・品数も中身ももう最近は一層グダグダでして(汗 私自身の食生活が中でも一番酷く、朝ソイジョイ、昼カップ麺、夜カップ麺の日はさすがにヤバイ、という三文字が脳裏に過りました(笑 栄養的にも、お通じ的にもヤバいです。
by eriririririn | 2018-07-08 15:23 | 適当料理 | Comments(2)

夫のある病で、人生が一変した話。


by eriririririn